仕事で、何が嫌かって
「業務内容を説明してください」とか「教えてください」と
所謂 シニア・シルバー層の方に聞かれたときに
彼らにどう説明しようか、ものすごく悩むのです。
50歳台は 英語で言うところの「MeMeGENERATION」、日本語に訳すと「オレオレ主義」。
50歳台の男性に、弊社の業務概要を説明することが一番大変。
何が大変かって、業務内容を理解した時に
「僕はこういう世代を通じて、こう思っているから、森さんのやっている事は正しくて、僕はこう思う」みたいな「オレ話」が延々と続くのだ。時間にして1時間くらい。
「例えば具体的に」と聞かれた時に
「例えば、デジカメなど機械は使いづらいじゃないですか。」
と、一言言おうものなら、そこから延長30分。
どの辺が使いづらいのか、その機能が必要かどうか、なぜ世の中の商品は使いづらいのか、俺はどう思うか。
お話の殆どは非常に興味深いものなので、とても楽しいのだが
50代、特に後半は「オレオレ主義」な年頃なんだなと思う。
50歳代男性のコミュニティーのつぼは、この「オレオレ主義」にあるといっても過言ではない。
先進的な人が「ネットでショッピング」とやっているのは「すごいですね」と思いますが、
最近、「やや一般的な人」達がネットショッピングに乗り出した。
メールの量が多くないので、楽天のような明らかに広告メール以外のショップメールは目を通す。
Kさん（68歳、女性）も、その一人。
うちに通って半年が過ぎ、最近パソコンを買ったと聞いた。
で、ネットで買い物～の話をしていたら「チケットなんて買いに行く気しないわよ。あんなの、ネットでポンポンじゃない。自分の好きなものはメールで知らせてくれるし。」
彼女がネットショッピングをしている事はものすごく意外だった。
この間まで「パソコンは、使えそうだと思ったら買うの」と仰っていて、買ったばかりなのだ。
「株もやってるわよー」
ユーザビリティは「使いやすさ」「解りやすさ」＝操作の容易さ、推測のしやすさ。である。
昨日1日現場に立って
web、というのは使いやすいだけじゃダメ。
以前にも書いたが、大切なのは「使いやすさ」も勿論、「ワクワク」なのだ。「ワクワク」に通じる色気。
以前の色気の記事は各方面から（色気じゃなく、ワクワク感）反響をいただきましたが、今、さまざまなユーザビリティの本を見返していて「解りやすい」ことだけがいいことじゃない。ということに今更ながら気付く。
あ、勿論、解りやすいというのはとても大切。
ただ、「見てください」というユーザーテストでは見てくれるでしょうが、普段その人がそこで買い物をしたいとか、そこから生まれくるワクワクを感じられるかというとそれは多少別問題。
要は、そのwebサイトに惚れてみたいか、付き合ってみたいか。
それがwebサイトの底力。
インターネットを始めた人だけでなく、ワードやエクセルを使っている人、デジカメを使っている人共通に言う言葉
「も、も、もすこし右ーーーーーーーーーー」
「行きすぎデス！もうちょい、心持、ええ、微妙な乙女心状態でひだりっ！」
スイカ割りやってるわけじゃないんです。
画面上のどこをクリックすればいいのか、ボタンのどこを押せばいいのか、その指導のときに出てきてしまう言葉。
実際、ボタンのとこに来て、指マークにならないと、（の＿の；）という顔をして（あはは、この顔可愛い）
「押してもいい？」と質問されます
「おせ、おすんだジョー」
軽いノリで、ココに書いておりますが、本当にどれも実際の話。
それもしょっちゅうです。
多分、恋愛コンサルタントなるひとが恋愛をした回数より、出会っている気がします。（わはは）
以前、どこをクリックすればいいの？といつも言われる、と書きましたけど
デザイン系の、例えば素材集などが使いづらいのは仕方ないと思う。個人でやっている人もいるわけだし。
でも、普通の企業で、もし、その企業が、誰かを対象に、誰かに何かをしてもらいたいと考えているのであれば、「どこをクリックすればいいの?」なんていわれた日には、少しばかり、枕を涙でぬらしたほうが良い。と思う。
「動画がキレイ」とか、「画質が最高」といわれても
比較する対象がなければ、自分のすごさは認識できない。
背が高い人の中にいれば、自分の背の低さは目立つし
背が低い人の中にいれば、自分の背の低さは気にならない。
我が家はみな小さい（150センチくらい）なので、家族といるときは自分の小ささを認識した事すらない。
それが当たり前だと思っている。
ちなみに、弊社のスタッフは身長で選んでいるわけではないが、みな小さい。
160センチの人がいれば、みな「大きいねー、大きいねー」を繰り返すような感じだ。
しかし、実際、友達に会うと「小さいなー」といつも言われる。
そこではじめて気付く。ああ、私は小さいのだ。
他人と比較して、はじめて気付く事は多い。
他人と比較しないと、わからないことが多すぎる。
同様に、不満点も他人と比較しないとわからない。
シルバー層がメールを始めて一番悩むのは相手。
最初のうちは「練習です」と家族にメールを送り狂うものの、それも飽きる。（お互いに）
写真を送ります。と送っても、娘から・息子から反応がなかったりする。
次に来るのはよく行く店や、使ったお店、病院。
もらった名刺にメールアドレスが書いてあったら、どきどきしながら、ためしに出してみる。
それってすっごいチャンス！
メールの対応次第によってはめちゃくちゃよい関係を築けたりする。
支店の人だとメールアドレスを持っていない人は意外といるのですが
確かに、就業時間中に遊んでしまうという恐れを感じているのであれば、支店別にアドレスを持って名刺には記載しておくべきだと思う。
メールで頼まれてもやだし、とかってせっこいことを言うなら
電話もはずしてしまいなさい。といいたい。
シルバー層の最高の友人になれる、そういう意味でメールアドレスは最強のツールといえる！と思った本日。
現場から少しでも遠ざかってしまうと
シニアシルバー層の日常が解らなくなる。気がする。
その、何がいいかって、出会うたびに新鮮なのだ。
例えば、
CD-ROM。
裏返しに入れるのは良くある事。
本当に、本当に多くの人が、裏返しに入れる。「表裏」がわからなくて「何も見えない！」と言われる事がある。
LP→カセットと育ってきたシニア層にとって、CD-ROMというのはなんとなく、異物のようだ。
＃そういえば、私も酔っ払ってMDをさかさまに無理やり入れようとして妹に怒られた。なんとなく、解らない
CD-ROMが使えないなんて！と、若者は思うでしょうが、意外と多い。そして、毎回驚く気がする。
だから現場はおもしろい。
あとは、CD-ROM入れる場所の混乱もすごい。
最近のデスクトップはCD-ROMの場所をかっこいい場所、といいますか、難しい場所に入れる傾向があり、いやー、CD-ROMのボタンを押そうとしてパソコン消したり。（実話ですよ！嘘はなし！）
FDの場合、入る方向にしか入らない。（それでも無理やり入れようとする人はいます。）
USBも、入る方向にしか入らない（それでも・・・以下同文）
FDも、USBも、「入らないわよ、おかしいわね」と考える事ができる。おかしい、と考える事事態の前に考え直そうと思ったとしても。
心の痛い記事を発見してしまいました。
筆者の経験的に言って断言するが、「リコメンデーション機能があったらな・・・」といったことを考えるＥＣサイトの9割、いや95%が、もっとほかに取り組むべき多くの問題を抱えている。8MのADSL回線で見てもページの表示に5秒以上かかることが多い
これはリコメンデーションだの商品数だの以前の問題である。
はい、大賛成です。（私を知る人だけ解る、心の痛みつきですが。）
リコメンデーションが合った方がいいサイトもあります。
ただ、それが適切なリコメンデーションであれば。
この記事が仰る通り、リコメンデーションの機能を入れる前に、しなくてはいけない事が沢山ある。
まず、お薦めされる前の欲しいと思った商品を買えなくては、お薦めされたって買えないものは買えない。
ワタシ的には未だに「絶対ここにはリコメンデーション機能があったほうが麗しい！」と思うサイトは幾つかある。
しかし、大抵がリコメンデーションのカタカナにうきうきしてしまい、使えるレベルまでに落ち着いていないと言うのが現状だ。
例えば、「詳しく見たい場合は写真をクリック」と書いてあり、クリックすると本気で写真しかないと、こういうサイトを作る人はどういう考え方をしたいのかと思ってしまう。写真サイトじゃないんだから、本の表紙なんて「詳細情報」のうちには入らないっての。詳細を見るといわれたら、コメントとかに飛ぶだろうと考えるのが素人考え。
洋服をリコメンドされても、前の洋服を忘れちゃうトリアタマな私には、コーディネートできないっての。
リコメンドされても面倒くさい。それなら、雑誌でキリハリした方が楽しいし、想像がわく。
朝､所用により新宿のビックカメラの前を歩く。
アクティブシニア４人組を発見。50代後半～60代前半だろうが、勿論その年には見えない「今日は久し振りにヒルトンでランチでも・・・♪」と言っているのが聞こえる。
おー、アクティブシニアだ。アクティブシニア・センサー発信。
「この間○○（海外）でね」「洋服を新調して」明るい話題が続く。
「あら、バスの場所が解らなくなっちゃった」
「いいわよ、奥さん聞いてくるわよ」
４人のうち２人がビックカメラの店員さんを捕まえて（この漢字が正しい）
「すみませーん、ヒルトン行きのバスってどこから出てるんでしたっけ」
近くで答えを待っている残り２人のお姉さま方
「嫌よねー。おばちゃんって、恥ずかしげもなく聞いちゃうんだもんね」
聞いているお姉さま方は
「えー、わかんなーい」「どこどこ？」
優しい店員さんが近くまで連れて行ってくれた
残りの二人が「おばちゃんって、本当に図々しくなって嫌ねーきゃはは」
４人「あ、あそこね。解った！」
４人「店員さーん、ありがとねー、今度そちらで買ってあげるからねー」「きゃはは」
「いやねー、おばちゃんって。きゃははははは」
アクティブシニアっていうと、かっこいいけど、うーん、おばちゃん。でもある。
そう言えば、実年齢が若いと言う人ほど、言い訳として「おばちゃんだから」と言う人は多い。
アクティブシニア、という響きにだまされちゃいかんです。
パソコン始めたいんですけど。
と、いらっしゃる。
「目的は？」と聞く。（本当はもっとやさしく聞いていますよ）
「え、何ができるかわからないのに、目的も何もわからないわよ」と答える人がいる。
「インターネットがしたいの」 よくよくきくと「いんたーねっと」がしたいだけで、何ができるかわかっていない。
最近パソコンを買ったのよ、と聞くと、かなり良い機種。
「いい機種ですねぇ」
「だって、あとであれもできない、これもできないじゃ嫌じゃない。本当は使わないとは思うんだけど。」
何ができるかなんて、よく解っていない。
でも、皆が使っているんだから、何かできるんだろうし、インターネットはできるだろう。
インターネットをするために、パソコンを買う。
お店に行ったらテレビも見られると聞いた。
ならば、インターネットのために25万円の商品を買うのではなく、テレビも見れるかもしれないと言う可能性にお金を払う。何かできるかもしれない、ワクワクのための投資。
デジタルカメラを買ってくる人が多い。
「簡単なのでいいのよ」「使いこなせないと思うし」「撮るだけだし」
といって、本当に簡単なのを買ってきた人を見たことがない。（まぁ、デジタルカメラはどれも難しいけど）
「安物買いの銭失いじゃ困るでしょ」
「○○だけでいいのよ」を信じちゃいけない。
なぜって？色々機能がついていないと「安物を買ってしまった」ように思われるから。というのも一理有。
でも、「今までとは違う生活」というワクワク感にお金を払う。
毎年デジタルカメラを買い換えている人がいる。
別に、本人も使いこなせているわけではない。と、認識している。
でも、新しいものを使ってみたいのだ。ワクワク、なのだ。
単機能の「安心だフォン」にはワクワクがなかった。
私たちは、それを色気と呼ぶのだが、色気がない。
色気なんですよ。キーワードは。
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