「シニアビジネスですね」といわれる。
確かに、私は「シニア」と呼ばれる人に近いし、多分、他の人よりも、シニア層を見ている。
世の中のシニア向け販促企画などは得てしてデータ内でのシニアを活用している事が多いので、実情のシニアの悩みを全く考えていなかったり、かけ離れたものをしている事が多い。
で、私はそういうののお手伝いをしているわけだ。
じゃぁ、なんでシニアビジネスなのか、という、今日は真面目な話。
確かに、シニアは若い子に比べてお金を持っている。
たんす預金の大半は、シニア・シルバーとも言われている。
でも、私が始めた理由はそれじゃない。「持ってる層を狙いましょう♪」なんて、簡単なものじゃない。
昔、もっと暇だった頃、パソコン教室を運営し始めて、どっぷり疲れて、投げ出しそうになったこともあった。
そんなときの話。
仲の良いオネエサマのおうちに遊びに行く事が良くあった。
「マミコサン、疲れているなら遊びにいらっしゃいよ。どうせ家には誰もいないし」
だんなさんを1年前になくされたのだ。
家に遊びにいく。形見の(笑)お酒(山崎の18年もの)を二人で空ける。(勿論、呑むのは私だけだが。)
テレビだけがしゃべり続ける。
「だって、誰も遊びに何て来ないのよ。気軽に遊びに来てよ。」
テレビを消すと、何の音もしない。電話もならない。
我が家は騒々しいので、静かである事がすごく、寂しかった。
「本当に、誰も遊びに来ないのよ。遊びにきてね」と、80を過ぎたオネエサマが言う。
なんか、しみじみしてしまった。
68歳のオネエサマも2年前にだんなさんを亡くされた。
所謂高級マンションに住む彼女。3人の子どもたちは結婚して、孫もたくさんいる。
何度か夜遊びに行ったが
「静かなのは慣れているのよ。でも、気軽に遊びに来てね。こんなおばあちゃんを夜に誘ってくれる人もいないしね(笑)」
広い家、シーンとした環境(高級住宅地だから、回りもシーンとしている)
私が遊びに行くとウキウキして色々なものを見せてくれる。
人生について、教育について尽きることなく語りあう。
ならない電話。
なんか、すごく切なかった。
1度、夜、近くに行ったときに、ノリで呑みに誘った事がある。
「あっそびっましょー♪」
「どうしたの!?まさか、こんな夜の時間にお誘いが来ると思わなかった!なんか、女子大生みたいよね。着替えるからちょっと待ってて!呑みに行くわ!」
二人でタクシーを飛ばして、呑み会へ。
平均年齢(私も入れて)67歳の飲み会がひそやかに行われた。
「こういうのって、ウキウキするわよね。この年になるとナカナカそういう楽しい事って少なくなるのよ」
自分が、年をとったとき
例えばダンナを亡くしたとき
死を見つめながら、一人で生活しているとき
多分、ネットをやりながら寂しさに慣れきっちゃうと思うんだけど
ウキウキがいいよね、と思う。
彼らをもっとウキウキにできないか?
自分が、シニア・シルバーになったときに、もっとウキウキであるためにはどうすればいいのだ?
自分が、シニア・シルバーになったときに、寂しい生活をしたくない。それは決して、現状のシニア・シルバーが寂しいと言うわけではない。が、寂しさをしみじみとかみ締めたくない。
いつもは明るい側面ばかり強調されるシニア・シルバー層、明るい側面もしくは介護しか注目されないシルバー層。
自分が、その世代になったときに、今のままでいいのか?
でも、一人でできる事なんて、たかが知れているから
彼らと一緒に、住みやすい、楽しい、そういう生活を作りたい。
シニア・シルバー層に幸せになってもらいたいと考えているのは
多分に、自分の将来のためなんです。
「子どもたちに負担をかけたくない。」「面倒なんて見てもらいたくない」「迷惑かけるのは嫌よね」
と、いいつつ、手の離れた寂しさと、社会との距離を感じるときに、つい電話をしてしまう。
「折角育てたのに、かまってくれない」と思ってしまう。
「同世代と付き合うのは、なんか、明るさがないからちょっと嫌よね」というアクティブなシルバー層が
住みやすい場所を作りたい。
理想のシルバーが暮らしやすい、死ぬ直前まで「生きてて良かったな」と思える生活を。
自分のためにも、シニア・シルバー層に幸せになってほしいと言う、ちょっと真面目な呟きでした。イジョ。
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